わたしが好き!で溢れる社会に
更新日:2025/04/02

プレ開校を前にしたある日。作業をしながら、スタッフのこうちゃんがふと私たちに投げかけました。
「僕たちは、どんな社会を創りたいんだろう?」
教育というのは、直接的に子どもたちに影響を与えます。そしてそれは、回り回って20年後の社会を創ることにも繋がるはずです。
では、ここのねの目指す社会ってどんなものだろうか。
こうちゃんの問いかけに3人で頭をひねります。
「みんなが自分に自信を持つ社会になれたらいいな」と私。
「夢をたくさん持って応援し合える社会になったらいいな」とももちゃん。「なんか笑顔で溢れる社会だったらいいな」とこうちゃん。
それからも、あれやこれやと話し合ってみて、1時間が経つ頃。
「わたしが好き!で溢れる社会に」ってどう?
こうちゃんが2人に問いかけます。
「いいかも!なんでそう思ったん?」とももちゃん。
「いやなんかな、ここのねの1年間を振り返ってみたら、みんな一年前より自分のことを好きになれているなって気がして。1年前までほとんどお互いによく知らない私たちだったけど、気づいたら苦しいことも楽しいこともなんでも話してて、その度に真剣に話し込んで最後には大笑いしてたよね。その中で、自分の心と向き合って、新しい自分を知れて、前よりも自分のことを好きになれた気がするんだ。」
「ななえさんだったら、文章すっごくいいよね!」
「ももちゃんだったら、とにかく気がきくしマネジメント得意だよね!」
「こうちゃんは、兎にも角にもアイデアマンだよね!」
「こうやってお互いのいいところを自然と認め合い、お互いの苦手なところを補い合う関係になれた。これって自分の才能とか能力に気づいて自分を好きになれたんじゃないかな。だから自分の得意なことで誰かの苦手を補えるようにもなったのかなって。」
「自分を好きになると他人に優しくなれる。そしたら自分に自信を持つことも、夢を応援することも、笑顔であふれる社会も創れる気がするんだ。」
この一年間を通して、3人が自然にやってきたことだ。それを子どもたちやここのねに来てくれる人達へ伝えていきたいねと話した。
「わたしが好き!であふれる社会に」
ひとりひとりが自分の才能や能力に気づき、心から「わたしが好き!」と言う人があふれる社会を創ろう。
一年間歩んだ道のりをもとに決まった、ここのねの目指す社会。
皆さんと一緒に少しずつ、一歩一歩。
近づいていけたらいいなと思っています。
〜追記〜
この記事を読んでくれた方からあるコメントをいただきました。
「自由な学校なら、目指す社会なんて考えなくてもいいんじゃないの❓強いて言うなら、自由な社会に❗️」
そうか。なるほど。目指す社会を示すことでそれに縛られてしまうのかな。
そう考えたあとに、こんなふうに思いました。
「でも、自由って、言うのは簡単だけど実践するのは難しい。本当はみーんな自由なはずなんだけど、なんとなく不自由さを感じながら生きている人が多い気がるなぁ。」
生きている限り、不自由さがあることは、ある意味仕方ない部分もあるのかもしれません。しかし、もっと本当は気持ちの面でも自由になれるのに、と思うこともあります。
自由になるって、自分の中に選択肢をもてること。
選択肢を持てるってことは、自分のことを知って、認めて、どんな私でも大丈夫って思えることなんだと思います。
それが、「私が好き」が溢れる社会という理想に繋がっているんだと再確認しました。